― オプティモ・クレメンス邸 ―
(しかし恐らく、この状況を見逃したわけでもなかろうな)
[ たとえ、たまごプリンに目がくらんでいようと、男が異邦人二人を連れ、更に王府の使者を同行していたこと、それを見逃すようなソマリではなかろうと、内心で苦笑を零す ]
[ しかし、その内心はおくびにも出さず、男は悠然と足を組み、蜻蛉のごとき影の軍師を睨め付けた。彼が紅茶を口にし、プリンに手をつけるまでの間は待って、口を開く ]
さて...
[ にやりと口の端を上げる表情はどこか楽しげ ]
君は何が欲しいのかね?アレクシス・ユレ。
[ よもやたまごプリンのレシピではないだろう?と、これまでのタヌキの化かし合いのような会話から、一足飛びに、男は本音を掘り起こすような問いを放った** ]