[リーザの感謝の言葉には、]
はい。覚えておいてくださいね。
[と淡い微笑で言った………「また届かなかった」とため息をつくのは独りになってからだ、と自分に言い聞かせて。
そう言えば。
一緒に来たニコラスの姿が見当たらないが、彼は既に部屋に行っているのだろうかと訝しみ。周りの何人かに聞いてみたら、ゲルトから答えがあった。
――彼なら調子が悪いって三階に行った。もう寝てると思うよ?]
……え?
[昨日までは調子は良さそうだったし、今朝も特に問題はなさそうだったのに。一体何があったのだろうか、と。
自分が行っても何も出来ないだろうが、それでも心配にはなる。
近くにいるシモンに声を掛け、一つ依頼をする。]
すみません、私も部屋を一つお借りできますか?出来れば、ニコラスさんの向かいの部屋を。
[承諾が得られたならば、自分もまた三階へ。]