[歳を感じさせぬ程の浪々とした声で、老婆は森の守りを固めた。害ある者へは迷いの道を示し、害無き者ですら許可がなければ扉を閉ざす。そうして竜の住処に立ち入る物が出来るのは、竜自身と昔から森に在る妖精精霊の類のみだった。]余計な連中はここに入ってこれなくしたよ。ま、あんたも出れなくなるけどそれくらいで丁度いいだろう。勝手に飛び出されても困るしねぇ…[戻って来た老婆はカレルの傷口に手をかざす。痛みだけは取り去っておいた傷は、今度こそ緩やかに消えてゆくか。]