― 城内 ―[同じ血の半身と共鳴し、その気配をたどって城主の気が茨を伝う。ただひとえに「聖女」とやらを見てみたいという興味で、まさに戦いが始まったばかりの、部屋の片隅に、そっと自分の欠片を送り込んだ。"視る"ためだけの力は細い茨を動かし、小さな体と長い尾を持った動物の姿を編む。暗がりの中、一匹のリスが3者の戦いを見つめていた。]