― 10年前のある日/宿屋 ―
――― レジーナ…きれい…。
あのね、あのね…絵本のお姫様みたい!
[さらに大きくなれば。流石に母も、娘を家だけに閉じ込めて
おけず、時折は、男が村に伴うのを許すようになり。
花嫁の前後で花を蒔く子ども役に、
選んでくれたのは、レジーナだったか、オズワルドだったか。
結婚式――というのが、どういうものかは、よく分かっていなかったけれど、何よりも大好きな二人が、とても幸せそうで。
歳よりも若く見えるレジーナが、37歳のお姫様だった>>146と後で知ったが、本当に輝くように美しく見えて。
そう笑顔で告げた時だったか]