[しかし、そんなセンチメンタルな気分も1年もたてば吹き飛ぶ。なにせ前任のモーリッツ教官より数倍も授業は難しく、試験もレポートで済まされるような甘いものではない。それゆえに彼女の授業は知的好奇心を刺激されて楽しかったのだ。その楽しい時間の締めくくりがこれから始まろうとしていた。がらりと戸を開けて試験会場に足を踏み入れた]