……そうですか、聞きたくない。
[彼の言わんとする事はなんとなく伝わるが、微妙に心にグサッと突き刺さる言葉である>>165
少しだけ項垂れてから、頭の中で「聞きたい、聞きたいです!」と訂正を]
『ふむ、これはなかなか手ごわい相手じゃの。
じゃが、自身を偽るお主と、自身の本心に反する事を話す者。
見物する分には、実に面白い取り合わせじゃぞ』
[“蛇”は高みの見物を決め込んでそう嘯いている。
彼女が人間であったのなら、十二単でも着込んで扇を開き、口元に浮かんだ笑みを隠していた所だろう。
こめかみが微かに引きつったが、反論する事は必死に堪えた。
この状況では負け犬の遠吠えにしかならない]