[異性に向ける恋愛感情といったものは今まで感じた事はないし、理解も出来ないでいたけれど。
話す口実を作る算段を楽しげに披露してくれた彼女の姿に、玲緒はひっそりと己を重ねた。
たまたま人数の少なかった班に入れてもらい、それならばと、浮き足立つ気持ちで亜梨沙との隣席を希望したのだ。
班長さんにはきちんと口止めして、そうして今の状況を得た。
事情を訊かれれば、口止め料は彼女が最近悩まされていた、生霊祓い無料サービスでどうにかなったのだけど]
(ストーカーみたいなの、かな。たまにいるんだよね、背負ってる子)
[修練みたいなものだと思い、そういった憑き物をこっそり祓ったり退治したりしているせいで、知る人は知るという小さな噂程度に玲緒にそういった力があるという事は知られていた]