─ 回想 ─じゃあ。おれいに、これ、あげる。わたしのいちばんの、おきにいりなの。[自分の瞳と同じ色に染められた革のバレッタを髪から外し、彼女に手渡した。貰った帽子はそのまま、新しい一番のお気に入りに変わってて。家を出される時も、手放すこと無く。風に飛ばされ、レトの御陰で無事手元に戻ってきた後は一層大事にし続けていた。けれど]