[相変わらずの速度で動く鉄底族と屍兵は、少し遅れて矢の雨に遭遇した。
しかし矢の雨は、彼らの足を止めるには至らない。
鉄底族は盾を掲げて矢を防ぎ、ものともせずに進んでいく。
屍兵たちは多少の矢が刺さっても変わらずに動いた。
彼らを打ち倒したのは、唸りを上げて飛来する石だった。
大きな石はアンデッドを動かなくなるほどに押しつぶし、鉄底族の盾を吹き飛ばして鎧ごと彼らをひしゃげさせた。
鉄底族の先頭を進む一族の長、偉大なる鷲髭のゴルバは即座に配下の戦士たちに指令を下す。
鉄底族の隊列はさらに密集し、丸盾を重ね合わせるようにして巨大な天蓋を造り出した。
幾重にも重なり支え合う盾は、投石器の石をも跳ね返す。
ただ、もともと乏しい移動力は、さらに減少した。]