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"死んだ奴隷を処理するのは同じ奴隷"
これまでに幾度となく死体を運んできた。
でも、いいものではない。
生気を失った青白い顔。
冷たい四肢。
こちらの生気まで座れてしまいそうな感覚に陥る。
時には酷い死に方をしているものもあった。
きっと、貴族にやられたのだろうけど。
その場に膝をつき手の指を絡める様にして合わせる。
膝立ちして背筋を伸ばし目を閉じれば
目の前の銀色の球体へ黙祷を捧げた。
魂が救われる様に、というおまじない。
そういえばこれは誰に教わったのだったか。
思い出せない程、遠い遠い記憶。
黙祷が終われば立ち上がりその場を後にする。
"じんろう"が恐ろしいものだという実感を得て
いくらか気が引き締まった。
そうして足は再び第2エリアへと向かうのだった。 ]**