……誘い出すには、少し人が多過ぎるわねぇ。[その直ぐ傍にあるは、人を魅了するに長けた野茨公のもの。相通ずる物を感じる彼のこと、似た様な事は考えそうだと気を逸らす。己の気紛れに任せようかと、塔から静かに滑り出ると、風が弾け、幾つかの気が地下へと落ちたのを感じとり]