[首を傾げるペーターの内心>>204が読み取れたならば、自分もペーターと同じ年くらいの頃は、恐怖を克服すれば強い人になれると同じように信じていたと同意するだろう。
だがそれを実行してみた結果は。ペーターに告げた通り、”ある意味始末に負えない”ものだった。それは今まで誰にも―当然友人であるジムゾンにすら―告白していない過去。]
……。
[ペーターの視線を感じて、本から顔を上げる。
ここで自分が考えていることを全て正直に告げる気にはなれないが、ヒントとなる言葉を提示する。]
例えば、近所に凄く頑固で厳しい大人の知り合いがいるとして。その人に怒られたら怖いから悪いことができない、って思えば、自然と行動を控えるようになるだろう?
俺が言いたいのは、つまりそういうことだ。
[言い終えると、口元にかすかな笑みを浮かべた。]