― カレンへの道中 ―
[カレンへの行軍は陸路を使用した。
海路で、と誘われもしたが、内陸育ち故に海に慣れておらず、村を出てからも海は縁遠かったのもあって逆に不安があった。
泳いだことが無い故の恐怖もあったりしたわけだが、とりあえず置いておく]
[行軍はいつも移動する時のように護衛の馬に同乗して行われた。
降伏勧告を受けた時は陸路部隊にもどよめきが走ったが、ソマリアードに代わり一喝する者も居て、ひとまず行軍には問題無い程度に治まった]
……もしかして、あの時から……?
[3年前、門を見に行った時のことを思い出す。
あの時、この声の主はヤコブを狙い襲い掛かってきた。
余計なことは何一つ言わずに居たために、あの時の目的すら知れていない。
唯一向けられた警告を考えるなら、門を護っているようにも聞こえたが]