あのね、わたしはね
“「本当」“がないの。
わたしのお母さんは、ずっと前に死んじゃったから。
だから、……キルマーのこどもじゃなくて
お母さんとお父さんは、お兄ちゃんの。
わたし、お家のみんなにもにてないけど
お母さんにもにてないんだって。
だから、鏡を見てもお母さんがどんな顔だったかわかんない。
[ゆっくりゆっくり、時間を掛けて話したけれど
もしかしたら彼女はよく分からなかったかもしれない。
子供同士の会話には、きっと重かった。
そして、それはパメラの家族も「本当」ではないと言っているようなものだと
当時のわたしには気づくことが出来なくて、ただ言いたくて。]