ー回想:昔馴染みとの再会 in 廊下ー
……、……。
[子どもさながらに、胸を張ってドヤ顔したのは自分だけれど、そうも屈託なく別嬪になったとか言われたら>>173、……ボンッと顔が破裂した気分。
かぁぁぁ……と顔に血が上り、ぷいっとそっぽを向く他出来ない。
見ようによっては態度悪いどころじゃないけれど、そんなことに気を留める余裕はなかったわけで。]
(ば、ばっかじゃないの……そういうとこが大好きなのよばかぁ!!)
[多分甘えも出ているのだろう。
両親を知らない自分にとって、彼にどこか気を許している部分があったのは紛れもない事実。
マーティンはそんなこと無いというけれど、……本当に昔の自分は捻くれていたものだ。
彼の太陽のような温かさの前では、そんな頑なささえ、自然とぐずぐずに溶けていたのかもしれないけれど。]
あ、ありがとう。
……マーティンはいつも優しいわね。
ふふ、シレネ……お転婆だったものね。
[ようやく言葉を絞り出し、……ふっと気を抜いてくすくすと笑う。
もし彼が娘に対する情を感じているのだと知れたとしたら、素直に嬉しいと顔を綻ばせる筈である。]