― 特別室 ―
[鳴る音の方へ、牽制に刃向けるけども。
途中でそれは、足音にしては軽い音に。
視線を向ければ、転がるなにかは恐らくジェムか。]
努力は認めるが……随分、原始的だね。
[他にも足音とは異質な音たちが混じる。
聞き分けられないほどではなくとも、それを意識し続けるのは面倒くさい。
大鎌を前方に、刃を水平に構えてガードしたまま。
一度入口の方へ下がろうとそろりと後退る。
闇の手で捕まえるにしても。
新しい魔法を試すにしても。
向かってくる方向を限定すれば、その姿が見えずとも当てる確率は挙げられるだろう、と。]