[再びの出発に備え、乗艦する者達は己の準備を整える。
ヴィクトリアも例外なく、艦に持ち込むもののチェックを始めた。
とは言っても、ヴィクトリアは沢山の荷を持ち込むわけではない。
腰から外していたサーベルを戻し、服装のチェックをする程度だ。
ふと、机の上に置いたままであった封筒を手に取る。
長く続く幼馴染との、今となっては唯一の繋がり。
先日久々に届いた、一番新しい手紙だった]
……おばさん、元気になって本当に良かったよ。
[その中には幼馴染の母の話も書かれていた。
病の治療を終え、今度は痴呆が進んでしまったとのことだったが、元気そうだと言うのは文面からも良く分かった。
そのことにホッとする傍ら、後悔の念も浮かび上がる]