― 王都・ヘルグリューン邸 ―
それでいい。
回復に必要なものや人員があれば、好きに使え。
[返答に頷いた視線が、ちらりと肩の上の妖精を見る。
だがすぐにそこから逸らし、作戦の詳細へと話を移した。]
王都より、ゴブリンのウルフライダーとオークのボアチャリオット、それぞれ1部隊を出す。
おまえはこれらの指揮および援護に当たれ。
この部隊をまずグランツェルツ橋へ向かわせる。
おまえはここで連中と合流するのがいいだろう。
[グランツェルツ橋とは、カトワールよりも川下に掛かる大きな橋のことだ。
目の前に地図があるかのように、指を動かして続ける。]