”そういえばアルビン、そろそろ顔を出す頃だろうか?”
[ちょうど行き違いになっている>>205とは知らずに、幼馴染について思いを馳せる。
実は去年アルビンが村に帰ってきたとき、”とある町のパン屋が二十年がかりで生み出した幻のパンのレシピ”という怪しげなノートを、虎の子のへそくりをはたいて買ったことがあった。厳格な父が知ったら、「そんなもん眉唾ものだ。」と一喝しそうだったから、黙ってこっそりと。
因みにそのレシピ、実際はまだ手をつけていない。
字が余りにも汚くて、パンの製法が書いてあるらしいとはかろうじて読み取れた以外、詳細が全く分からないためだ。
けれどもいつか絶対ノートの秘密を知って、皆をうならせるパンを焼く!という野望は未だに燃やし続けている。]