……… …っ![振り被られる手。それを見て悟った。もう遅い。左手に辛うじて握った剣では、防ぐことはかなうまい。避けることも、今この状態では適わないと知る。それこそはこれまで鍛えてきた最後の戦人の”目”。けれど叶わずと知れど、自らを庇わんと弱く左の腕を掲げる。蟷螂の鎌の如くに、弱く剣持つ腕を引き上げる。まだだ。まだ諦めるわけには行かない。欲張ることに決めたのだ。自分も───この男の命をも。失わせることを選びはしない《守りきる》と]