― 3年後 ―
あー。荷物減った減った。
[もふーずビデオや写真集、エロビなどはすべて同僚や在学生たちに譲ったので、荷物は小さめのトランクに入る程度の衣服や餞別に貰ったもふぐるみ、もふ写真。
それと、リエヴルから預かりっぱなしの卒業証書だけになった]
…………結局、オレがここに居る間にはとりに来なかったなぁ。
ま、公爵閣下は忙しいんだろうし、仕方ないからもうしばらく預かってるけど。
[手に持ったワニ柄筒を、トランクの上にぽーんと放って。トランクとその筒以外には何もなくなった部屋を見回す。
カレルが卒業してから、新たな同室者が入ってくる事がなかった部屋。
情勢の変化による『家庭の事情』で中途退学していく生徒が増え、部屋が余ってきたからだ。
この部屋も、明日から新入生が入ってくるまで――今年の新入生の数によっては、それ以降も――無人となる。
ふと、自分の在学中とは違う意味でギクシャクしつつある生徒たちを、寮の2階の窓から見下ろして。小さくため息を吐いた]
あいつらが居た頃とは、だいぶ変わってきたよなぁ。
生徒も減ったし、オレまで居なくなったらまじ寂しくなるだろ、この学校。