― 巡洋艦ヴァイスメーヴェ:操舵室 ―
[窓を広く取り、見通しが良い部屋。
昼間は太陽の光がそのまま部屋を明るく染めるのだけれども。
>>97 然し、今その窓から見える空はやや少し翳っていた。
先程まで燦々と輝いていた太陽はその身を隠し、雲が少しずつ青い空を埋めている。
それに呼応するように、海もコバルトブルーから濃い青へと色味を暗くしている。]
………天気が、少し悪くなってきたね。
[思ったより暗い室内を見て、ウェルシュは眉尻を下げた。
然し、まだ航海するには充分問題ない天気。雨もまだ降っていない。
ウェルシュは操舵室に鎮座する雄大な舵を、軽く掌で指示しながら、]
握ってみて。
それで先ずは、ヴァイと同じような感じで操縦してみて。
[彼女に舵を持つよう、促した。
彼女は舵をどのように扱っただろうか、程なくして、ヴァイスメーヴェが大きく左右に蛇行することになる。]