この程度の傷でいなくなるか。我を誰だと思っている。
[世界の理は己のものだ。という大言ではなく、世界という管制をねじ伏せ死ぬはずが生きる。未だ並々ならぬ生への執着心がなせる業]
当たり前だ。そんな今更なこといちいち口に出すな。…まったく
[ファミルの頬から目元へと指を這わせ駄々をこねるように身も世もない訴えとともに流される涙を拭う。
己に奉仕するのは当たり前のことだ。居なくなる気も毛頭ない。ただ少し回復に時間がかかるだけだ。しばらくは眠りにつくだろう。そう思っていたが―]
……ファミル?
[その震える指先>>177より馴染み深い力を感じ目を瞬かせる。
魔術というのは...から見れば、世界に対して手続きをとり代価を渡して許可を得て初めて行使できるもの。
生来の気質からわざわざ伺いをたてるなどということは断じてしないものには相性が悪く、必要ともしないから覚えもしなかった。
だからこれは魔術ではない]