[ 困惑顔のリヒャルト。
笑っている理由が分からないから、だなんて想像もしていない。
もし「なぜ」と聞かれても、たぶんコンスタンツェは笑って誤魔化すだろうけど。]
吸う……じゃないね。舐めるだけでもいい。
どうしてそんなに死にたがりなのさ。
[腕の中で動く身体を、少し強い力で抱き締め直す。
"どうして"と、問う口調の最後が震えた。
理由はわかっていた。]
コンスタンツェの主はリヒャルトしかいないのに、代わりはたくさんいるだなんて。
………リヒャルトは頭はいいのにばかだなぁ。ほんとに、馬鹿だよ。