― 通話中 ― ……………。…………。[>>175 ヒンメルは死んだ、と、通信機は語る。そっけない声。きっぱりと。……終わった事のように。ふわふわと浮いていた気持ちは、一気に地面に落ちて。目の前でしんなりと潰れている] ……エルンスト・ヒンメルの遺族は、 彼の遺体を確認したいそうだよ。 よく似た別人かもしれないから。[溜息みたいに言葉を吐き出して。軽く首を振った。聞く耳も、語る言葉も、彼は持っていないのかもしれない。死んだ、だって。――……そこに。そこに、いるのに]