[男の軍は先ずシャスラ村に向けて行軍を始めた。
セミヨン川を渡った先にある、森に囲まれたその村から避難した者も多く、滞在者はほぼいないかに思われたのだが]
「こんなところにも!?」
[1隊ほどいる魔の軍勢に、隊を率いていた副官は驚いた。
何のためにいるかは知らないが、裏をかけるほどの規模ではない。
最初こそそれなりの規模がいたようだが、エルフの戦士達がここを通過する際に邪魔をする者達を蹴散らして行ったらしい。
蹴散らされた残党が村に残り、好き勝手に飲み食いしたりしていたようだった]
「大した数ではないが…あちらに向かわれても面倒だな」
[こちらが通過した後に後背を突かれるのもまた面倒、と。
シャスラ村に巣食う魔共を排したために行軍は僅か遅れることとなった]