― 天上宮・城下 ―[とたたた、とたた。朱と紅を翻しつつ、駆ける幼子の足取りは軽やかに。己を探す者の嘆息や、見かけたものの評などは気にした様子なく、あちらこちらを見回しながら楽し気に駆けていたのだが]『…………?』[不意に、軽やかな足取りが止まる。くるり、その場で回って振り返るのは、冬花が振り返る>>201のとほぼ同時。こてり、首を傾いでくぅ? と短い声を漏らす仕種は小鳥を思わせるもの。そうして、立ち止まる時間は短く。小さな朱雀はまた、祭りの中へ駆け出そうと身を翻す。*]