……あー……大丈夫大丈夫。
そんなに心配しなくてもちゃんと治……。
[治るから、と。
そう、言いかける声を遮るように]
『……そおっいう問題じゃないでしょ、この、直情大バカ!』
[明らかに怒っている、とわかる女の声が響いて]
あー…………やっぱり、来てたか、ティア……。
[ぽろ、と漏れた言葉に、同意するように白銀が鳴く。
声の出どころは、扉の前。
集まっていた薔薇色の光が完全に人の姿を形作る。
亜麻色の長い髪と紅い瞳の、まだ少女と呼べそうな年頃の女は、はっきりそれとわかる怒りを白銀の一対へと向けていた。*]