コルネリアスの家系は……元々は、無用な犠牲を出さないことを目指していたそうです。
夜の間に本性を現した人狼を、こちらから迎え撃つ能力を得ようとしていたそうです。
夜の間に弓矢で狙い撃とうとしたり、人狼を眠らせる薬を作ろうとしたり。
当時は、「狩人の家系」と呼ばれていたといいますが。
……しかし、結局それらは全て失敗に終わって。
その後、彼らは「襲撃を受ける者が誰であるかを予測し、防御する」という戦術を編み出しました。この試み自体は、それなりに上手く行ったと聞いています。このやり方を真似た人も、歴史の影には他にも居るといいますし。
……ですが……
[話の核心を告げるに従い……フリーデルの表情は暗く沈む。
それでも、何かに突き動かされるように話を続ける]
……彼らは、更に新しい方法を見つけたのです。
……それが、狼の襲撃を誘導することによって、1日分の時間を稼ぐ……という、手です。
さっきも言った通り、狼を見分けられる人間が居る、らしいのです。もし彼らを1日生かすことが出来れば、それだけでも、狼を撃退出来る可能性が上げられる……彼らは、そう考えました。