[右足が獲物を捕らえた感触に口角を上げる。
見事に吹っ飛んだはずなのに、こちらを射抜くような目で見られれば愉快そうな表情を返そう。]
そういうお前も女のくせに、なかなかやるじゃねえの
あとちょっと遅かったら脳がやられてたぞ?
[世辞も偽りもなく褒め称えれば、そのまま駆け出そうとして――止まった。]
――あ? ナネッテ?
[見えた三日月と五芒星>>175に、場違いで間抜けな声。
呼び起こされるのは幼少期の記憶。
あの時一緒に冒険した彼女の首筋にも、同じ刺青があった。
抱き締められたときに見えた、特徴的な刺青は忘れることがなく。]