[紙に文字を書く音が響けば瞼を上げそちらに視線を向けた。
相手と目があったなら、目元を染めつつも頷き小さく笑ったことだろう。
足に相手の手が触れる。
太股がぴくりと震えたものの、抵抗することなく足を開いていった。
右足の太股上部、付け根に近い部分から8cmほどの長さの古い傷跡が見えただろうか。
わずかに盛り上がり、その部分だけ赤黒く変色してひきつった肌は見た人によってはグロテスクに見えるかもしれない。
もちろんすぐ上には黒い下着も見えているはずで、衣装に合わせ白やピンクのものの方がよかっただろうかなどととんちんかんなことを考えながらなんとか緊張と羞恥を忘れようとしていた。]