[部屋に入り、上着を床に脱ぎ捨てるなりそのまま寝台へと倒れこむ。かんかんと、警鐘のように響く頭痛は酷くなる一方で、外の音も廊下の音も談話室の音も碌に聞こえない。やがて平衡感覚も狂い始め、脈にあわせて床が波打ち――意識はどろり、闇に落ちていった]