[それから。
姿を見せなくなった彼を探して、ウェルシュは幾度かその店に足を運んだ。結局会えることはなく、自然とその店に行くこともなくなったけど。
また異国へと行ってしまったのかと思う。
それでも、一言くらい残してくれても良かったんじゃないかとも思う。まさか避けられているなど思いもよらず、その上、合わせる顔がないだの赤っ恥だのと彼が考えているなどとは思いもよらぬ。
それから少しして、王宮に鷹匠が出入りしているとの話があった。鷹匠との言葉に懐かしくて、会えないものかと探してみたこともある。けれどそれも結局、不発に終わった。
だから残念ながら、王宮に出入りする鷹匠と店に出入りしていた少し風変わりで面白い話を聞かせてくれた青年と、彼が同一人物と知るには未だ至っていない。あれから自らの鷹を得てもいない。
ただ時折。空に鳥の影を見つけては、今もあの頃を*懐かしく思う*]