── シルバー・メリー号 入口 ──
[様々な人でごった返す入り口付近に1人、
目をキラキラ輝せ、目の前に広がる船内を懐かしそうに眺めている女がいた。
中紅花色の長い髪を後ろの高い位置でひとつにまとめており、服装はどうにもきっちりとした制服姿。普通の一般客とはどうも違うということが伺える。
長い髪をふりふり尻尾のように動かしながら船内を見回しているうちに、どうやらこの船のメインシステム「キャプテン・メリー」が話を始めたようだった >>1 。]
わーかってるよ、キャプテン・メリー!
ふふ……懐かしいなぁ
[懐かしい記憶。
随分昔に何度も聞いた羊さんのセリフには、懐かしそうに目を細めて。
目の前に現れたホログラムをもふもふっとしてみれば、パラリ…と紙の感触が掌に。
どうやら乗船者記録の記入用紙のようだった。
それにざっと目を通せば、後で提出しておくね、と腰に下げたサイドポーチに丸めて押し込んだ。
そして、嬉しそうな笑顔で一礼をしたキャプテン・メリーには、こちらも満面の笑みで返し]
ただいま!シルバー・メリー号!
[と、船内全体に笑顔で挨拶をした。]