それは王国暦が始まるより以前の伝承。
海向こうの異国から追われ逃げてきた姫と民の昔語り。
自国の内乱、他国の魔の手、それら全ての脅威に晒された姫君は
決死の思いで海原を越えた先に漂着した島で、何者をも寄せ付けぬ神聖なる結界を張り巡らせた。
それら全ては生きる為に。
外敵を跳ねつけ、民を守り、我らが安住の地を手に入れる為に。
そして王国は築き上げられた。外敵を寄せ付けぬ、安住の楽園として。
千年経て今尚、我らが敬愛し奉るべき始祖姫王。
永代国王陛下アンゼリカ・カノエ・ナミュールに拠る建国記だ。
多少、私なりの解釈も混在しているがね。