――…
[逸らした目のままに、ぴくり。と肩を揺らしたのは扉の外に同胞の気配>>197を感じたからで。
そんなことは向かいに立つ"人間"には知りようもないから、もしも気付いたなら何か思ったかもしれない。]
――…あァ、無理だな。
幾ら潤そうと、…ヒトを喰らうまでは。
[飛んだ疑問>>198は即座に切って捨てる。
最早、自分がヒトではないと告白しているのに代わりはないけれど、朝方から消えることなく重く頭を蝕む何かは常よりも男を饒舌にしていた。]
……終わりに?
[意味が分からずに問い返す。
相手が近付くならばその分だけ後ろへと下がった。]