ーー回想:或る日の午後ーー
[弟の王子様が手にとる本はいろいろなジャンルで彼は次々と紹介される本に]
ふふふっ、失礼いたしました。
あまりにもウェルシュ様がお楽しそうに
オススメくださるので微笑ましくなってしまって。
[彼はやわらかく微笑んだ。
年を同じくする王子様のほうが年齢も距離も幼い頃は近かったが、年を取るにつれて将来の王様とその臣下というビジョンが強くなり、その関係を図りかねていた。
逆に年下の弟の王子様は年を取るにつれて、距離が狭まっていくのを感じていた。本という趣味も合い、将来の関係性も王子様よりは堅苦しいものにならないと思っていたからだろう]