[闇が、立ち上がった。
初めは小さく、だが確実に地の割れ目から染み出した闇の瘴気は、光に掻き消されることも風に散らされることもなく、静かに、だが確実に、森を呑み村を呑み、やがて山をも呑んだ。
天の烈光が降り注ぐ。>>13
それをも呑んだ闇は、やがて天をも覆わんばかりに広がった。
冷たい死の闇が、白銀なる天の輝きを覆い隠してゆく。>>1:79]
──── 闇よ、我が軍勢よ。
[その主、漆黒の翼広げた瘴気の主は瞳に赤き光を湛え、ついと指を宙に走らせた。その声に従い、闇が騒めく。……闇に隠れし”モノ”どもが。]