おまえはフェリシアの何だ?[「波は全てに平等です」と岩の擦れるような笑みを浮かべた男に肩を並べんと踵を浮かせる。官吏なのか王族なのか、はたまた庭師だったりするのか。いっそ帝国に来ないか、と投げた質問は予想外の反応を得て、”ウルケルの傭兵隊長”からもたらされた情報により、帝国艦隊の舫い綱は危ういところで解かれることになった。命の恩人と言っても過言ではない。が、ウルケルの利権の先兵となって立ちふさがるのならば。] その柵、砕いてやる。 [目を閉じ、背中に感じる波に意識を預けた。**]