「おいおい、なに悠長に構えてるんだ?
奴は敵だぞ?お前の願いを潰す、お前の魔女への道を潰す敵。どうして撃つのをためらう?」
……それは。
[何か事情があったのだろうし、何か火急の理由もあったのかもしれない。
――ただ、その理由の心当たりを探ろうとしても、私は頭が痛くなるだけなんだけれど。
確か、他人の不幸の上に成り立つ幸せは嫌だ>>129……って事だったのかな。
痛い頭で記憶に残っていた言葉を攫う。
どうすればよかったのだろうか。私にとってはこれが最良の手なのだ。
昔のみんなが笑顔で過ごせるようになる願い。魔法。夢。
代償は――それを誰も気づかなければ、誰にも気付かせなければ、皆の笑顔が崩れる事は無い。
他の人は、私はそういう運命だったで済ませられるから。
気付いてしまったであろうジル――時羽流くんをどうするか。
今は魔女の試練、失敗は魔女に関する記憶の忘却に繋がる。それならば――]