[数日後、礼を述べて夫婦の家を辞した。幼い娘は名残惜しそうだった。今までは旅続きだったから、年の近い幼子と接する機会がなかったので、この出会いが新鮮だったのだろう。そんな娘の頭を撫でて、しばらく街にいこうかと誘った。もう、旅の必要はなかった。あとは待つだけだった。待って、為すべきことを為すだけだった――…。 そんな遠い日の、おはなし*]