― 帝国前進拠点・一室 ―准将の考えすぎ、とは思えません。幸か不幸か、あちらの指揮官と竜騎兵隊長は知らない顔でありませんし。下手を打てば簡単に足を掬われましょう。[ここまで、一方向に意識を向けて口にした後]……彼も、公国に名前があった。同じかそれ以上大胆な発想をした上で、対策してくるだろう。敵に回ると、本当に厄介だ。[残りは独り言のように呟いた。思い浮かべるのは6年次の卒業試験で共闘した、紫の瞳の鋭さ]