[――ここで、もし彼の様子>>203を見かけたものが居たならば、その異様さに驚いたかもしれない。
彼は、手にした”黒い箱”に向かって、腹話術のように声色を使い分けながら、延々と独りで掛け合いを続けていたのである。
(もちろん「とぅーるるる、」も口で言っている)
しかしもし、その様が誰かに見られていた事に気付いたなら。
『彼』は、執念深く目撃者を探し出し、その者を『無かったことにする』だろう。
それは、今までもそしてこれからも変わらない、『彼』のやり方。
そして今までもこれからも、『オズワルド』はまだ何も知らないままだ。*]