貴方を何て呼べばいいかな?
私は…、ウェルって言うんだけど。
[名を聞いた時、彼はどう名乗ったか。自分はというと流石に本名を名乗るのは憚られたから、その名を少し短く愛称のようにして彼に名乗った。
ある時、彼が鷹を呼んでくれたことがある。>>196
笛について尋ねてみた時のことだ。
店の外に出て、彼がぶんと振り回す笛の音に(自分にはさっぱり聞こえなかったが)、猛々しい鳥が飛来するのに目を見張った。素直に格好いいとも思った。]
──── すごい!
[素直な歓声は、年相応のものだったろう。
顔の表情そのものを輝かせて、ウェルシュはベルフィとその主とを見遣った。鷹も、それを腕に止まらせる仕草も格好良くて、触れてもいいと言われた時にはぱっと笑顔が弾けた。]