― 王都陥落の日:玉座の間 ―[生首を捧げ持って平伏する男を、興味をひかれた顔で見下ろす。] 平伏などしなくていい。 顔が見えなければ、殺しに来たのかどうかもわからないだろう。[鷹揚に聞こえる言葉には、殺しに来たのなら殺すとの意思が滲む。素直な名乗りには、軽く頷いた。] なるほど。 ならば貴様は牙持つものか。[問いと単なる感想が相半ばする言葉を投げて寄越した。]