敵味方、双方に信...
[ すぐ近くに着弾したか、大きく艦が揺れ、思わずついた手が折れた骨を軋ませて、小さく苦鳴が漏れた ]
『大佐?!』
大事ない...双方に信号...
『皇帝旗艦と提督旗艦、接触せり、両軍、一時停戦待機を望む...』
[ 命令でもなく、正式の停戦でもない「待機を望む」との光のメッセージが、対峙する両軍に向けて送られる。
先の海戦での、旗艦同士の奇妙な会談を、両軍が覚えていたなら、その意は通じるだろうか? ]
(だが、止まらんなら...)
[ ナハティガルは、沈ませられない。あの艦の背負う命は、沈めば、先へと続く道を断ちかねぬほど重い ]