―――は。
人殺しの偽善者が。
[処刑に反対した時の神父の姿を思い出して、跳びかかってくる狼を前に、笑う。
抵抗しても無駄であろう。
ダイイングメッセージなんて残した所で、議論を惑わすだけだというのは、今日嫌というほど思い知った。
だから、嘲笑ってやることにした。
死ぬ前の、悪あがきと、強がりだ。]
あの程度で、化けの皮、剥がれるような…若造が。
てめえの正体なんざ、すぐに、暴かれるだろうさ…
[激しい痛みの合間に、仮面を被り続けた男が言い放った台詞。
負け惜しみでしかないそれに、自嘲の笑みが浮かんだ。
血反吐を吐き、村長だった男は、命を絶たれた。
あとは肉塊が残るばかり**]