人狼物語−薔薇の下国

13 Chant 〜あなたを失い死を知った〜 SIDE:B


公国軍大尉 レト

 お兄ちゃんのお下がり、ってやつか。
 なんか、―――いいな。

[剣を手にして、笑う。
それはお下がりという呼び方がそぐわない位、手入れの行き届いた綺麗なものだったけれど。
そんな風に口にしたのは、憧れを抱きながらも、自分の身には無縁のものであったからだ。

家の兄と自分との間には距離こそ近いものの、血によって引かれる明確な線がある。
けれど、士官学校の「兄」とは血こそ他人でも、繋ぐもの、継がれる何かがあるのだと。
六年間の絆が今、この手にあるようで。嬉しかった。]

(203) 2013/06/19(Wed) 19:39:46

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