― 校舎・中庭 ―[戦っていてわかったことはいくつかある。まずは剣士は経験不足であること。剣士の意志で体を動かすよりも、目玉を保護することを優先していること。だからこそフェイント。経験不足ゆえか、あるいは目玉を保護するというゆえにか、その両方も合わされば、思いもがけぬ隙が生まれる。こちらには、相手の腕や胴を斬れない。目玉を狙わなければならないというハンデがあるのだ。それに付け込まれたら厄介だが、相手も意志と体がごちゃごちゃな動きになるとわかれば、それに遠慮なく付け込むつもりであった]